曹洞宗とは
中国で発展した禅宗の1宗派で、唐代の禅僧洞山良价を開祖とします。
名称は洞山と弟子の曹山の名を由来とするという説と、洞山と禅宗六祖曹渓慧能の名にちなむものという説があります。
中国では宋代以後、曹洞宗は臨済宗とならんで中国禅宗を代表する宗派となりました。
日本では、曹洞宗は今から800年ほど前、鎌倉時代に宋に渡った道元により伝えられ、瑩山により全国に広められました。
日本における禅宗の三大宗旨「臨済宗」「曹洞宗」「黄檗宗」のうちの一派で、道元が開いた永平寺と、瑩山の開いた総持寺の2つを本山としています。
釈迦牟尼仏をまつることが多く、これは教えの根源を、菩提樹の下で悟りを開いたお釈迦さまの瞑想体験そのものに求めるためと言われています。
また、曹洞宗では道元を高祖と呼び、瑩山を太祖と呼んで、お二人を「一仏両祖」あるいは「両祖大師」と呼んで、同じように尊崇する伝統が現在まで続いています。
臨済宗が時の武家政権に支持され、政治・文化に重んじられた背景を持つのに対し、曹洞宗は一般庶民の中に浸透していったために文化の面と結びつくことは少なかった反面、広く大衆に支持され続ける宗派となりました。
曹洞宗の座禅は中国禅の伝統とは異なり、ひたすら座禅をすることにより自ら仏性を見出そうとするもので、臨済宗とも性格を異にしています。
臨済宗のように公案を使う流派もありますが、ごく少数です。
道元の「正法眼蔵」や、その要文を抄出した「修証儀」を聖典として使い、儀礼では「般若経」が読まれます。